
オメガは、ロレックスの次に中古市場で数が動く時計です。そのぶん買取店も扱いに慣れていますが、同じモデル名でも世代が違うと相場がまったく別という面倒さがあります。
ただし、オメガはロレックスと違って「モデル名が同じでも世代によって相場帯がまったく違う」という厄介さがあります。同じスピードマスターでも、搭載ムーブメントが1861なのか3861なのかで数十万円単位の差が出ます。ここを分かっていない店に出すと、相場より安く手放してしまうことになりかねません。
この記事では、当サイトが持つ相場データから人気10モデルの買取価格を状態別に出し、そのうえで査定でどこを見られるのか、何をすると下がるのかを書きます。
オメガの買取相場(高額モデル上位10)
| モデル | 型番 | 買取相場(状態: 良好) |
|---|---|---|
| スピードマスター コーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 42mm | 31032425002001 | 1,400,000〜1,760,000円 |
| スピードマスター プロフェッショナル スヌーピーアワード | 357851 | 1,340,000〜1,680,000円 |
| スピードマスター キャリバー321 クロノグラフ 39.7mm | 31130403001001 | 1,260,000〜1,580,000円 |
| スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル | 31130423001004 | 1,100,000〜1,380,000円 |
| スピードマスター コーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 42mm | 31020425001001 | 1,080,000〜1,350,000円 |
| スピードマスター プロフェッショナル ムーンフェイズ | 31130443201001 | 990,000〜1,230,000円 |
| スピードマスター デイト コーアクシャル | 31130445101001 | 910,000〜1,130,000円 |
| スピードマスター プロフェッショナル ムーンフェイズ 革ベルト | 31133443201001 | 910,000〜1,130,000円 |
| スピードマスター アポロ11号35周年記念 | 356931 | 840,000〜1,050,000円 |
| スピードマスター ムーンウォッチ グレー・サイド・ オブ・ムーン メテオライト | 31163445199001 | 840,000〜1,040,000円 |
313モデルの流通データにもとづく概算です。状態・付属品によって変わります。
オメガ人気10モデルの買取相場(状態別)
当サイトの相場データから、人気10モデルの買取価格の範囲を型番ごとに抜き出しました。ステンレス・稼働品が前提です。
スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル
Ref. 310.30.42.50.01.002
シーマスター ダイバー300M 42mm
Ref. 210.30.42.20.01.001
スピードマスター ダークサイド・オブ・ザ・ムーン
Ref. 311.92.44.51.01.003
シーマスター アクアテラ150M 41mm
Ref. 220.10.41.21.01.001
コンステレーション グローブマスター
Ref. 130.30.39.21.02.001
シーマスター プラネットオーシャン600M
Ref. 215.30.44.21.03.001
スピードマスター '57
Ref. 332.10.41.51.01.001
シーマスター300 マスターコーアクシャル
Ref. 233.60.41.21.03.001
デ・ヴィル プレステージ コーアクシャル
Ref. 424.13.40.20.02.002
スピードマスター レーシング
Ref. 326.30.40.50.01.001
※ 当サイトが持つ相場データ(オメガ313モデル分)から、型番ごとに抜き出した買取価格の範囲です。2026年9月時点。付属品の有無・時期・売り先によって実際の金額は変わります。
状態のS・A・Bは、査定でよく使われる区分です。Sはほぼ新品同様、Aは使用感が少なく目立つ傷のないもの、Bは通常の使用傷があるものを指します。同じ型番でも、SとBでは3割前後の開きが出ます。
なお、この表は平均的な個体の範囲です。金無垢・コンビ・限定モデルは別の相場になります。
モデル別に、査定でどこを見られるか
ここからは10モデルについて、査定士が実際に確認する点をまとめます。自分の個体がどれに当たるかを先に押さえておくと、提示された金額の理由が分かります。
【1位】スピードマスター プロフェッショナル(現行・旧型)

不動の1位は「ムーンウォッチ」です。オメガのスピードマスターは、アポロ11号の月面着陸に携行されたことから「ムーンウォッチ」の名で知られています。1960年代、宇宙開発計画を行っていたNASAは、宇宙空間でも使用できる時計を探していました。数社のブランドにテスト時計を依頼し、耐熱や耐久性の厳しいテストを唯一クリアしたのがオメガのスピードマスターだったのです。
この時計は、当時のムーンウォッチの直系時計であり、50年以上ほとんどデザインは変わっていません。ムーンウォッチという逸話だけでなく、当時から整然としたデザインで多くの人々の心を掴んでいます。
第4世代のデザインを継承した現行モデル(Cal.3861搭載)はもちろん、一世代前のCal.1861搭載モデルも「コーアクシャル化される前の最後の世代」として、コレクターの間で相場が動いています。ただし相場帯そのものは3861と1861で大きく異なるため、まず自分の個体がどちらなのかを確認しておくことが大切です。
査定でここを見られます
- 世代の判別:Cal.3861(2021年〜)かCal.1861かで相場帯が分かれます。ケースバックがシースルーなら3861搭載モデルの可能性が高いです
- 風防の種類:ヘサライト(プラスチック風防)とサファイアクリスタルで別相場。同じ年式でも金額が変わります
- 付属品:スピードマスターは付属品が多く、箱・保証書に加えて工具や替えベルトの有無まで見られます
- 保証書の日付:2018年7月以降に正規店で購入された個体は5年間の国際保証が付くため、残期間があるかどうかも確認されます
【2位】シーマスター ダイバー300M

オメガの看板ダイバーズです。007(ジェームズ・ボンド)が着けるモデルとして知られ、中古市場での回転が速いため、買取店も値を付けやすい1本です。
特に、映画『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で採用されたチタン製モデルや、セラミックベゼルを採用した現行モデルは需要が集中しています。耐久性とステータス性が高く、初めての高級時計として選ぶ層も多いため、中古市場での回転が非常に早いのが高価買取の理由です。
相場が分かれるポイント
- 世代の違い:現行の42mm(Cal.8800)と、2531.80などの旧世代(Cal.1120)では相場がまったく別です。旧世代は状態による振れ幅が大きくなります
- 限定・特別仕様:007エディション、チタン、ブロンズゴールドなどはプレミアが乗ることがあります
- ベルトの状態:ラバーストラップは経年で硬化・変色しやすい部位です。純正メタルブレスが揃っているかが効きます
- ベゼルの当たり傷:セラミックベゼルは研磨で消せないため、欠けや打痕がそのまま減点になります
【3位】スピードマスター ダークサイド・オブ・ザ・ムーン

フルセラミックケースという高度な技術を投入したハイエンドモデルです。ステンレスにはない光沢と、傷の付きにくさが支持されています。
注意したいのは販路の違いです。需要の中心が海外にあるため、輸出ルートを持つ店とそうでない店で提示額に開きが出ます。元値が高いぶん、その差額も大きくなります。1社で決めない価値がもっとも高いモデルのひとつです。
このモデルの査定で決定的なのは、外装の状態がそのまま金額に出るという点です。セラミックは研磨による修正ができないため、小傷や欠けを隠すことができません。ステンレスモデルなら磨いて整えられる傷が、ここでは素直に減点になります。
もうひとつは販路の違いです。ブラックブラック、ピッチブラック、セドナブラックなど派生が多く型番で相場が分かれるうえ、需要の中心が海外にあるため、輸出ルートを持つ店とそうでない店で提示額に開きが出ます。元値が高い分、その差額も大きくなります。1社で決めない価値が最も高いモデルのひとつです。
【4位】シーマスター アクアテラ 150M

「海でも陸でも」をコンセプトにした、オメガで最も実用的なドレスウォッチです。近年は文字盤のカラーバリエーションが増え、ファッション性を重視する層からの需要が急増しています。
マスタークロノメーター搭載で磁気に強く、中古でも「壊れにくい時計」として扱われます。ビジネスでも使えるデザインのため、流行に左右されにくい部類です。
査定でここを見られます
- ケースサイズと世代:38mmと41mm、Cal.8500世代とCal.8900世代で相場が分かれます
- 文字盤の縦目・横目:チーク文字盤のストライプ方向は世代を見分ける代表的なポイントです
- 外装の小傷:ドレス寄りのモデルのため、ラグやブレスの小傷が金額に響きやすい傾向があります
- ブレスかレザーか:純正メタルブレス付きのほうが評価されやすく、レザーのみの個体は差が出ます
【5位】コンステレーション グローブマスター

1952年の誕生以来、オメガの精度を象徴するラインです。特に「グローブマスター」は、世界で初めてマスタークロノメーターの認定を受けた記念碑的モデルとして、時計愛好家から高く評価されています。
通好みのモデルです。フルーテッドベゼルやパイパン文字盤といった特徴を評価できる店なら、その歴史的な位置づけが金額に乗ります。
逆に言えば、このモデルは査定士の知識によって提示額が最も割れるモデルでもあります。マスタークロノメーター第1号という文脈を評価できない店に出せば、単に「あまり見かけないコンステレーション」として処理されてしまいます。
そのうえで確認されるのが素材です。ステンレス、SS×ゴールドのコンビ、金無垢では相場帯がまったく違います。また流通量が多くないため、在庫を抱えていない店ほど積極的な金額を出す傾向があり、タイミングによる振れ幅も大きめです。外装では、フルーテッドベゼルの溝が研磨で整えにくく傷が残りやすい箇所になります。
【6位】シーマスター プラネットオーシャン 600M

600m防水というプロ仕様のスペックを誇る、本格ダイバーズの最高峰です。オレンジのベゼルなど存在感のあるデザインが特徴で、大型時計を好む層に根強い人気があります。
本格ダイバーズのため、防水機構の整備にコストがかかります。自社の修理工房を持つ店は、その費用を抑えられるぶん高い金額を出しやすくなります。
相場が分かれるポイント
- ケースサイズ:39.5mm・43.5mm・45.5mmと展開が広く、サイズによって需要も相場も変わります
- 防水機構の状態:ヘリウムエスケープバルブやリューズのねじ込みに不具合がないかを確認されます
- 自社工房の有無:整備を外注する店は再生コストを差し引くため、工房を持つ店のほうが高い金額を出しやすくなります
- ベゼルの退色:オレンジ系のベゼルは日焼けによる色抜けが起きます。現行世代では減点対象ですが、ヴィンテージモデルの場合は「パティーナ(経年の味)」として逆に評価が上がることもあり、扱いが分かれる部分です
【7位】スピードマスター '57

1957年の初代デザインをオマージュしたヘリテージモデルです。ブロードアローの針や、ヴィンテージ感漂う色調が特徴です。2022年のアップデートで手巻きのCal.9906を搭載し、ケース径40.5mm・厚さ12.99mmへとスリム化されたことで人気が一気に高まりました。
付属品がそろっていて、当時の雰囲気を残す個体なら、相場より高い査定が付くことがあります。
まず自分の個体を確認してください
- 世代を必ず確認:2013年発表の自動巻(Cal.9300/41.5mm)と、2022年の手巻き(Cal.9906/40.5mm)はまったくの別物です。混同されやすいので、まず自分の個体を確かめてください
- 文字盤の色:現行世代はブラック・ブルー・グリーン・バーガンディの4色展開。人気に差があり、相場も色によって変わります
- サンドイッチダイヤル:ブラック文字盤はインデックスをくり抜いた特殊構造のため、状態の良し悪しが分かりやすく評価されます
- ブレスかレザーか:発売時点でブレスとレザーで定価が異なるため、買取額にもそのまま差が出ます
【8位】シーマスター 300(ヘリテージモデル)

1957年に登場した伝説的ダイバーズを現代の技術で復刻したモデルです。サンドイッチ文字盤やロリポップ秒針など、アンティーク時計のような風合いを持ちながら、中身は最新のマスタークロノメーターという「ギャップ」が人気の秘訣です。
流行に左右されない普遍的なデザインのため、リセールバリューの落ち込みが比較的小さいのが特徴です。特にレザーストラップよりも、メタルブレスレットモデルの方が高額査定になりやすいです。
査定でここを見られます
- 復刻の世代:2014年の復刻(Cal.8400系)と2021年のアップデート版(Cal.8912)で相場が分かれます
- ブレスの有無:メタルブレス付きとレザーのみで金額差が出ます。純正ブレスが残っているかは必ず確認されます
- 外装の雰囲気:ヴィンテージ調の仕上げのため、過度な研磨でエッジが甘くなった個体は評価が下がります
- ベゼルのインサート:色抜けや傷はそのまま減点になります
【9位】デ・ヴィル(プレステージ)

フランス語で「街」を意味する、オメガ屈指のエレガントなドレスウォッチです。スピードマスター等のスポーツモデルとは対照的に、薄型で洗練されたデザインは冠婚葬祭用として根強い需要があります。
デ・ヴィルは素材の幅が広いモデルです。K18のコンビや金無垢は、時計としての評価に加えて地金の価値が乗るため、ステンレスとは金額の桁が変わります。
素材で金額が変わります
- 素材で相場帯が激変:ステンレス/SS×YGコンビ/金無垢で、同じデ・ヴィルでも金額はまったく違います
- 金無垢は地金相場の影響を受ける:時計としての評価より地金価値が上回る場合があり、ブランド買取店と貴金属買取店で提示額が逆転することがあります
- クオーツか機械式か:デ・ヴィルはクオーツモデルも多く、駆動方式によって相場が分かれます
- 革ベルトの劣化:純正の革ベルトはひび割れや汗染みが出やすく、交換歴も確認されます
【10位】スピードマスター レーシング

モータースポーツを彷彿とさせる緻密なミニッツトラックが魅力のモデルです。40mm前後の扱いやすいサイズの世代と、44.25mmの大型世代があり、日本では前者の人気が高い傾向にあります。
スピードマスターのなかでは手が届きやすい価格帯だったため、中古市場に数が出ています。在庫を持っている店は金額を出しにくいので、複数社に当てる効果が出やすいモデルです。
相場が分かれるポイント
- ケース径と搭載ムーブメント:40mm級(Cal.3330など)と44.25mm(Cal.9900)では相場が異なります。裏蓋の型番から特定できます
- 文字盤のデザイン違い:レーシングダイヤルの意匠には複数のバリエーションがあり、人気に差があります
- 付属品の効き方が大きい:元値が抑えめな分、箱・保証書の有無が全体に占める割合が大きくなります
- 流通量が多い:在庫を持っている店は金額を出しにくいため、複数社に当てる効果が出やすいモデルです
オメガの買取額は、何で決まるのか
「A店では45万円、B店では58万円」——同じ時計でこれだけの差が出ることがあります。査定額は感覚で決まっているわけではなく、次の4つの要素の組み合わせで算出されています。
このうち1〜3は、売る側では変えようがありません。つまり、自分の意思でコントロールできるのは「4. どこに売るか」だけということになります。相場を調べるより先に、この点を押さえておくほうが結果的に金額に効きます。
オメガが高く売れる「3つの理由」
① マスタークロノメーターによる品質の再評価
オメガが推し進める「マスタークロノメーター」規格は、スイス連邦計量・認定局(METAS)の認定を受けたもので、15,000ガウスの耐磁性能があります。デジタルデバイスに囲まれた現代において、この実用性は中古市場でも高く評価され、型落ちモデルでも値崩れしにくい要因となっています。
裏を返せば、マスタークロノメーター認定以前の世代は、同じ見た目でも相場が一段下がります。2015年前後を境に評価が変わっている点は覚えておいて損はありません。
② 為替(円安)と海外需要の拡大
オメガは世界中で売れる時計です。そのため、海外のバイヤーに流せる店は、国内だけで売る店より高い金額を出せます。円安の局面ではこの差がさらに広がります。
ここで重要なのは、海外に売る手段を持っている店とそうでない店で、出せる金額が変わるという点です。国内の店頭販売だけで完結している店は、この上乗せ分を査定に反映できません。
③ ヴィンテージ・復刻モデルの熱狂
1957年三部作の復刻版や、往年の名機を再現したモデルが人気です。古い個体であっても「味」として評価される文化が定着し、30年以上前のスピードマスターに高値がつくケースが増えています。
ただしこの評価は、古い個体の価値を理解している査定士がいて初めて成立します。一般的なリサイクル店では「古い時計」として一律に減額されてしまうこともあるため、出す先の選択がとくに重要になる領域です。
査定額を下げてしまう5つのNG
良かれと思ってやったことが、逆に金額を下げてしまうケースがあります。査定に出す前に確認しておきたい5点です。
NG1:自分で磨いてしまう
最も多い失敗がこれです。市販の研磨剤で磨くと、ヘアライン仕上げとポリッシュ仕上げの境界が崩れ、ケースのエッジが甘くなります。プロが見れば一目で分かり、明確な減点対象になります。柔らかい布で乾拭きする程度にとどめてください。
ここで安心してほしいのが、ムーンウォッチのプラスチック風防(ヘサライト)に付いた擦り傷は、大きな減額理由にはならないという点です。査定士は専用の研磨剤で除去できることを知っているためです。割れや大きな欠けでない限り、風防の傷を気にして自分で手を入れる必要はありません。「プロが直せる傷」と「素人が付けた傷」はまったく別物、と考えてください。
NG2:付属品を探さずに本体だけ出す
箱・保証書(ギャランティカード)・余りコマ・説明書。クローゼットの奥を一度確認してから出すだけで結果が変わることがあります。
ただし、この4つは重要度がまったく違います。優先して探すべきは保証書です。正規品であることと購入時期を証明する唯一の書類で、有無による差が最も大きく出ます。さらに言えば、購入日のスタンプやシリアル番号が記入されているかどうかでも評価が変わります。
一方、箱の状態はあまり神経質にならなくて構いません。2000年前後のオメガに付属していた赤い合皮ケースは、加水分解でボロボロになっている個体が大半です。しかし箱が傷んでいても本体の価値が下がることはなく、減額があっても数千円程度にとどまります。見た目の劣化に驚いて処分してしまう方がいますが、あるならそのまま出してください。
NG3:止まったまま長期間放置する
機械式時計は、動かさない期間が長いほど内部の油が固まり、部品に負担がかかります。クオーツモデルは電池を入れたまま放置すると液漏れのリスクがあります。「売ろうかな」と思った時点が、状態としては一番良いタイミングです。
NG4:売るためにオーバーホールに出す
これは意外に思われるかもしれませんが、売却目的のオーバーホールは元が取れないことがほとんどです。オメガのオーバーホール費用は正規で7〜12万円程度かかりますが、それによって上乗せされる査定額が同額を超えるケースは多くありません。
買取店は自社で整備してから販売するため、整備コストはもともと織り込み済みです。「直してから売ったほうが高い」は、必ずしも成り立ちません。すでにオーバーホール済みで明細書が手元にあるなら、それは大いにアピールすべきですが、これから出す必要はありません。
とくに注意したいのが、スピードマスター オートマチック(通称リデュースド、3510.50など)です。ベースのムーブメントにクロノグラフ機構を別モジュールとして重ねた「二階建て」構造のため、分解整備の手間が大きく、オーバーホール費用が高額になりやすいモデルです。裏を返せば、止まった状態で査定に出したときの減額幅もその分大きくなります。ここは事前に把握しておくと、提示額を見たときに納得しやすくなります。
NG5:1社の査定額だけで決める
提示された金額が高いのか安いのかは、比べなければ判断できません。特にオメガは、前述のとおり販路と査定士の知識によって金額が変わりやすいブランドです。1社の提示額を「相場」と思い込んでしまうのが、最も損をしやすいパターンです。
売り方は3つ。どれを選ぶか
時計の売り方は大きく3つに分かれます。それぞれ手間・スピード・比較のしやすさが違うため、優先したいものから選ぶのが確実です。
「今日中に現金がほしい」なら店頭、「とにかく手間をかけたくない」なら宅配、「金額を最優先したい」なら一括査定、という選び方になります。オメガのように店による差が出やすいブランドでは、比較できるかどうかが結果に直結します。
いま動いたほうがいい個体、待ってもいい個体
早めに査定に出したほうがいい
- 使わなくなって半年以上経っている
- 止まったまま、または電池が切れている
- 生産終了・モデルチェンジの直後で注目が集まっている
- 保証書の残期間があるうちに手放したい
- 革ベルトの劣化が進んできている
急がなくてもいい
- 現役で普段使いしている
- 限定・記念モデルで、流通量が年々減っている
- 探せば付属品が揃いそう(揃えてからのほうが有利)
- 直近でオーバーホールしたばかり
- 相続・形見など、金額以外の判断軸がある
オメガを最高値で売るための戦略
修理(オーバーホール)履歴の証明
オメガは、2018年7月1日以降に新品で購入されたすべてのモデルに5年間の国際保証を設けています(それ以前の購入分は、ムーブメントの仕様に応じて24〜48か月)。正規カスタマーサービスでのメンテナンス履歴がある個体は、査定時に有利に働きます。
ポイントは、すでにある履歴は必ず提示する、ただし売るために新たに出す必要はないということです。保証書やサービス明細書は、時計本体と一緒に持参・同梱してください。
複数業者の比較は必須
オメガはモデル数が非常に多いため、業者によって得意・不得意がはっきり分かれます。「スピードマスター専門」に近い知識を持つ鑑定士がいる店と、一般的な買取店では、査定額に10万円以上の差が出ることがあります。
特に、この記事で見てきたような世代の判別(1861か3861か、9300か9906か)を正しくできるかどうかは、店によって本当に差があります。判別を誤られたまま安い側の相場で提示されても、こちらからは気づきようがありません。だからこそ、複数社の金額を並べて見ることに意味があります。
オメガの買取についてよくある質問
保証書(ギャランティカード)をなくしました。売れますか?
売却は可能です。ただし、正規品であることと購入時期を証明する書類がないため、揃っている個体と比べると金額は下がります。再発行は原則できないため、「探してから出す」のが唯一の対策です。なお、保証書がないだけで買取を断られることは通常ありません。
あわせて知っておきたいのが、保証書は「ある/ない」の二択ではないということです。購入日のスタンプが押されているか、シリアル番号が記入されているか。この記載の有無でも査定額は変わります。手元にある方は、開いて中身を確認してから出してください。
電池が切れている、止まっている状態でも査定できますか?
査定は可能です。ただし動作確認ができない分、リスクを見込んで低めに提示されることがあります。クオーツモデルで電池を入れれば動く程度なら、電池交換をしてから出すのは有効です。一方、機械式で止まっている場合、オーバーホールに出す費用に見合う上乗せは期待しにくいため、そのまま査定に出して構いません。
並行輸入品は正規品より安くなりますか?
オメガ本体が製造した正規品であることに変わりはないため、時計としての価値は同じです。ただし、正規店の保証書が付かない分、書類の面で差が出ることがあります。並行品を扱い慣れている店とそうでない店で評価が分かれる部分でもあるので、比較する価値が高いケースです。
オーバーホールしてから売ったほうが高くなりますか?
多くの場合、費用のほうが上回ります。オメガの正規オーバーホールは7〜12万円程度かかりますが、その全額が査定額に上乗せされることはまずありません。買取店は自社で整備してから販売するため、整備コストは織り込み済みだからです。すでに実施済みなら明細書を提示し、これからなら出さずにそのまま査定へ、が基本方針になります。
ベルトを社外品に替えています。純正がないと下がりますか?
下がります。特にメタルブレスはそれ自体に相応の価値があるため、社外ベルトのみの個体は差が出ます。純正ブレスが手元に残っているなら、必ず一緒に出してください。
見落とされがちなのが余りコマです。単に「あると有利」という話ではなく、ブレスを短く詰めた状態で調整コマも失っている場合、次の持ち主が腕に合わせられないという実害が出ます。この状態は評価が下がりやすいので、外したコマは小袋にでもまとめて保管しておいてください。
まとめ
オメガの相場は、新作の発表や為替で動きます。
この記事の要点を整理すると、次の3点になります。
- オメガは世代によって相場帯がまったく違う。まず自分の個体がどの世代かを確認する
- 査定額を左右する4要素のうち、自分で変えられるのは「どこに売るか」だけ
- 売るためのオーバーホールは元が取れない。付属品を探すほうが確実に効く
最後に1つだけ。この記事の表は平均的な個体の目安です。自分の1本がいくらになるかは、査定を受けないと分かりません。
相場を見たら、次は自分の1本の金額を確かめる番です
この記事に載せた金額は、あくまで平均的な個体の目安です。実際にいくらになるかは、査定を受けないと分かりません。時計買取比較ナビなら、一度の入力で最大10社へまとめて見積り依頼ができます。届いた金額を見比べてから、売るか売らないかを決められます。
無料で一括査定を申し込む →入力は約30秒/完全無料/しつこい営業電話はありません